インタビュー

2018年2月 9日

悔しい想いや体験が子どもを大人にする! W杯を制した元スペイン代表MFの言葉から見る自立の過程

■ユース年代には「試合を読む」楽しさを覚える

(流通経済大学の代表者にシューズを贈呈)

その後は、先日の高校サッカー選手権で辛くも優勝を逃した流通経済大学柏高校の生徒にアドバイスを送りました。

「サッカーだけでなく、人生にも『あと一つ』で目標を達成できないことがあります。その『あと一つ』で悔しい思いをした時は、その気持ちをバネにして『今度こそ』という気持ちを持ち、努力を続けていれば、必ず成長につながります」

ユース時代に話が及ぶと、「小学生ぐらいのときは『サッカーをしたい』ということしか頭に無かった。でもユース年代になると試合を読む事ができる。試合の展開を読んでサッカーをすると、より楽しくなりますよね」と助言をしてくれたアロンソ氏。

とはいうものの、小学生年代からサッカーの原理原則ををよく理解し、戦術面での知識、自分自身のプレーの判断などある程度の知識を備えておかないと、ユース年代でいきなり「試合を読める」力がつくものではありません。指導者はサッカーの技術や知識などを教えてくれるでしょうが、選手自身も常に自分で考えながら理解度を高めていくことが、サッカー脳の高い選手になるために必要な道程だといえるのではないでしょうか。

メンタル面では、「(14歳とか15歳とか)ユース年代で自分を律することは出来なかった。18歳でプロになった時も未熟だったし。今は大人になったけど...。でもそれは悔しい思い出やいろんな体験をして大人になっていくものだから」とご自身の体験を元にアドバイスを送りました。

人は、体験を通して大人になっていきます。知識として頭では分かっているつもりでも、実際に経験してみないとそれがどういったものか、本当には理解できないものです。サッカーでも、嬉しい体験や悔しい体験を通して、「今度はこうしよう」と考えて実践することで、少しずつ成長するのだというアロンソ氏の言葉は、ついつい失敗をさせないように先回りしてしまったり、正解ルートばかり求めてしまう前に、心に刻みたい心得です。

選手からの質問コーナーでは「絶対に負けたくない試合で、チームにどのように声をかける?」と問われ、アロンソ氏は「相手によって対応を変える」と回答。
「1番大事なのはチームメイトのキャラクターをよく知ること。褒められてモチベーションが上がる選手もいるし、厳しい言葉でやる気になる選手も。どういうメッセージを誰に、の選択が大事。あとは、基本的に終了の笛が鳴るまで希望を捨てずプレーをすることです」

イベントのクライマックスは1月25日に発売となった「プレデター」の最新モデルを、流通経済大学柏(高校、大学)のサッカー部への応援という意味をこめて、部員全員にプレゼントというサプライズ。これには選手たちも大歓声を上げ喜びを表していました。そして、アロンソ氏を中心に記念撮影を行い、イベントは大盛況のうちに幕を閉じました。

常に高いクリエイティビティを求められる環境で活躍し続けてきたシャビ・アロンソ氏の言葉は、今サッカーをしている多くの選手が共感できるのではないでしょうか。



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